保安点検

1. 保安点検の目的
保安点検の目的は、ガス設備や配管の異常の早期発見と未然防止です。これにより、ガス漏れ、火災、爆発事故などのリスクを最小限に抑えることができます。ガスの利用者が安全かつ快適にガスを使用できるよう、事前に異常を発見し、必要なメンテナンスや修理を行います。

2. 保安点検の対象
保安点検の対象は、ガス会社の管理する設備とお客様の敷地内の設備に分かれます。

① ガス会社が管理する設備
・ガス導管（地中に埋設されたガス管）
・ガスメーター
これらはガス会社の所有物ですが、使用者の安全のため、異常がないかを定期的に確認します。

② お客様の敷地内の設備
・室内・屋外のガス配管
・ガス機器（コンロ、給湯器、暖房機器など）
・ガス栓（壁や床に設置されている接続口）
お客様が所有するガス設備も保安点検の対象です。特に、古い配管や劣化したゴム管はガス漏れの原因になりやすいため、細かな点検が行われます。

3. 保安点検の頻度
保安点検の実施頻度は、法律によって定められています。一般的には4年に1回の頻度で行うことが義務付けられています。これは、ガス事業法に基づくものであり、全国のガス会社が一律に行っています。ただし、ガスの使用量が多い施設（工場、商業施設など）は、年1回などより頻繁な点検が行われる場合もあります。

4. 保安点検の具体的な内容
保安点検では、以下のような検査が行われます。
① ガス漏れ検査
・ガス配管やガスメーター周辺にガス漏れがないかを、専用のガス検知器で確認します。
・ガス漏れが発見された場合は、原因を特定し、修理や部品交換を行います。
② 機器の動作確認
・ガスコンロや給湯器が正常に動作しているかを確認します。
・ガス機器の不完全燃焼や異常な炎の色（黄色い炎は不完全燃焼の可能性がある）もチェックします。
③ ガス配管の劣化確認
　・屋外に露出しているガス配管のサビや腐食をチェックします。
・必要に応じて塗装の塗り直しや配管の交換を行います。
④ ゴム管の状態確認
・ガスコンロやファンヒーターなどに接続されているゴム管の劣化やひび割れを確認します。
・劣化が見られた場合は、安全な金属製のフレキシブル管への交換が推奨されます。
⑤ 通気口の確認
・給湯器やガスコンロの排気が正しく外に排出されているかを確認します。
・排気口がゴミやほこりで詰まっていないかをチェックします。これが詰まると、一酸化炭素中毒の原因になる可能性があります。

5. 保安点検の費用
保安点検の費用は、通常、無料で行われます。ガス会社が法令に基づき実施する義務があるため、点検そのものの費用はお客様に請求されません。 ただし、修理や部品の交換が必要な場合は別途費用がかかることがあります。

6. 保安点検時の注意点
・立ち合いが必要：保安点検では、室内のガス設備をチェックするため、お客様の立ち会いが必要です。
・事前の通知：ガス会社から、点検の日時についての連絡が届きます。都合が悪い場合は、日程の変更も可能です。
・不在時の再訪問：不在の場合、再訪問の依頼ができます。

7. 保安点検を受けないとどうなる？
ガス会社が保安点検を実施できない状態が続くと、最悪の場合はガスの供給が停止される可能性があります。これは、ガスの安全性が確認できない状態が続くと、事故リスクが高まるためです。

8. 保安点検の重要性
ガスの保安点検は、ガスを安全に使用するために不可欠なものです。特に、不完全燃焼による一酸化炭素中毒の防止やガス漏れ事故の予防につながります。点検を通じて早期に不具合を発見し、事故のリスクを減らすことができます。
また、古いゴム管の交換や、屋外のサビついた配管の交換を行うことで、災害時にもガス供給の安定性が保たれます。定期的な点検を受けることで、「異常がない」ことを確認する安心感が得られます。

9. 保安点検のまとめ
　・実施頻度：4年に1回（法律で義務化）
　・対象設備：ガス配管、ガスメーター、ガス機器、ゴム管
　・主なチェック内容：ガス漏れ、配管の腐食、機器の動作確認、ゴム管の劣化
・費用：基本的に無料（修理費用は有料）
・実施者：ガス会社の保安担当者

【注意点】
お客様の立ち会いが必要の為、事前の連絡をお願い致します。

ガス会社が行う保安点検は、お客様の命と財産を守るための大切な取り組みです。安全のため、点検の際はぜひご協力をお願いします。ガス漏れや一酸化炭素中毒といったリスクは、日常生活では気づきにくいものです。
ガス会社は、事故が起きる前に異常を発見することを使命としています。定期的な保安点検を通じて、お客様が「いつでも安心して使えるガス」を提供し続けられるよう、全力でサポートしてまいります。
もし、保安点検の実施について不安な点や疑問があれば、当社ゆいまーるガスまでお気軽にお問い合わせください。